「あたしがね、嘘ついたからなんだ」


「嘘…?」


「そう。あたしからコクっといて、ホントは陽斗のこと、全然好きじゃなかったんだ…」


「えぇっ!?」


衝撃発言に思わず大きな声をあげてしまう。


少し離れた場所にいる生徒があたしたちの方をチラチラ見てるから、今度は小声で春奈に聞いてみた。


「好きじゃなかった…って。じゃあどうして付き合ったりしたの?」


「んー…。好きになれそうだったから…」


春奈は少し切ない笑みを見せて、あたしからフッと目を逸らした。


好きになれそう…って


何だか曖昧な表現。