「ちちっ…違うのっ。あのね、昨日たまたま鍵忘れちゃって…。ホントに偶然、通りかかった安元くんが親切にしてくれて。

あっ、だけどリビングに取り残されてたっていうか。一人でリビングにいたの。ホントにホントだから」


悪いことしたわけでも何でもないのに、ビビりまくりのあたし。


あたしが動揺してるのを見て、春奈は苦笑いしてる。


「そーなんだ?別に怪しいとか、思ってないんだけど…」


だよね。


ここまで動揺してる、あたしが一番怪しい。


「うん。誤解されてないなら…いい」


「誤解しないよ…。だけど引っ越してきたばっかりにしては、陽斗と仲いいよね?」


「そ、それは。引っ越して来た日にっ」


言い訳をしようとしてたら、突然、春奈に話をぶった切られた。


「あたしね、陽斗にフられたの」