「バカにしたろ、今」


「してないってば。そっか、そうなんだぁ~。安元くんにもカワイイとこあるんだね!」


「思いっきりしてんじゃん。あ~…言うんじゃなかった」


安元くんはウンザリしてる風だけど、あたしはそんな安元くんに、少し親近感を覚える。


「安元くんって完璧な人かと思ってたけど、そうじゃないんだね。その方が、あたしにちょっと近いって思えて親しみやすいよ?」


「いや、全然近くねーけどな?」


「全否定ですか~?」


まぁその通りなんだけどね。


「…でも、お前ってちょっと苦手って思ってたんだけど…話してみると、いーヤツかもって思えてきた」


「あはは、苦手って…。っていうか、安元くんのタイプってどんな人なの?あたし以外にも苦手な女子がたくさんいるよねぇ…」


今朝、話しかけてきてた女の子も無視してたし、あの春奈とも別れたっていうし。


だったら、そういう安元くんは、どういう女の子なら認めるんだろう…。