「圭先輩♪」


その声が教室に響くとクラスの空気が重くなる。


「これ、さっきの調理実習で作ったんです!食べてくださいね!」


「…いらない。」


「絶対おいしいですから!
あたしの愛情入りですよ?」


教室の隅でその様子を見ているあたしと成実、と俊司。


「あたしの愛情入りですよ?だって。」


俊司が真似をしながら言っている。


「あんた、ほっといていいわけ?」


成実も不機嫌に言ってくる。


でも…、


「あの子、かわいいし…あたしが彼女なんだから!とかでしゃばったことできないよ…。」



弱気な声を出すと、2人が白い目でみてきた。