─────

圭くんにつかまれたところが熱い。


あたしに会いに来てくれたんだよね、


分かっているのにかわいげのない態度をとる自分。


同じ部屋のみんなは気を使って部屋に入ってくれた。

その瞬間、あたしの手をひいて抱きしめてくれた。


「ごめんな?さっき来てくれたのに。」


圭くんが謝ることじゃないのに。


「圭くんのとこに遊びに行ったら他のクラスの女の子がいたの。

中から“安藤くんかっこいい”なんて聞こえてやきもち妬いたの。

…たったそれだけのことなのに、ごめんね。」


圭くんのあったかい胸の中で、あたしは言った。