バスのところまで歩いている間も、
「めんそーれ!」
「はいさい!」
「ゴーヤ!」
「さとうきび畑!」
「「ざわわ~ざわわ~♪」」
とわけの分からない会話をしている2人。
俺が頭をかきながらその様子を見ていると、
「あの子達かわいー!」
「カップル?」
「あんな青春送りたかったね~」
と、他の観光客に言われていた2人。
『…カップルじゃねーよ』
こんなことにやきもち妬くなんて自分でも小さいなとは思ったが、俺はあすみの手をとった。
「さっきから目立ってるよ?」
やきもちもあっていつもほど優しく言えなかったが、俺の声に振り返ったあすみは目をキラキラさせて、
「圭くん!沖縄!圭くん、いっぱい思い出作ろうね!」
と満面の笑みで言ってきた。
あまりのかわいさにさっきのやきもちなんてどっかいった。
「楽しもう。」
俺がそう言ってあすみの頭をくしゃっとすると、嬉しそうに笑ってくれた。