「ちょっと寒くなってきたね。」
10月半ばも夕方になればそこそこ寒さを感じるようになってきた。
今日は圭くんと一緒に帰る日。
「もうすぐ修学旅行じゃん。
あすみ、どっか行きたいとことかないの?」
あたしの顔をのぞきこむように聞いてくる。
「沖縄かぁ~
夕日が見えるキレーな海で波の音聞いて、手つないで歩きたいな~…」
って、ん?
あたし変な妄想…
「ごっ!ごめん圭くん!!
あたし何か今変な世界行ってた!!!」
あわてるあたしを見て笑ってる圭くんは、
「もちろん、相手は俺だよね?」
と聞いてくる。
それは、
「もっ、もちろん!
圭くん以外ありえないよ!」
「それなら俺が叶えるよ。」
そう言うと“練習ね”と言いながらあたしの手を握ってきた。