でも、浴衣のせいでうまく走れない。


もう少しで追いつかれそうになったとき、


「あすみ!?
お前どこ行ってたんだよ、塚原が電話したのに…

え、どうした、何泣いて…」


はぁはぁ息をあげて前から走ってきたのは耕平くん。


言葉につまったのは安藤くんと遥香があたしの後ろにいるからだろう。


「「あすみ──、」」


安藤くんと遥香の声を聞いたらますます涙が出た。


「ごめん、みんなとはぐれちゃって。

ほんとごめんね、

あたし行くね──」


2人にあたしがそう言うと、耕平くんはあたしの手を握って引っ張っていってくれた。