「悪かった。」
透はあたしに頭を下げた。
「何。急に。」
「俺、ほんとはあすみとあんとき別れたくなかったんだ。
お前と付き合ってからも付き合う前と関係全然変わってなくて、友達みたいな感じで、あすみが俺のこと好きかわかんなかった。
ちゃんと聞きゃいいのにわざと女と遊んで妬かせようとしたりして、遠回りしてあすみのこと傷つけて。
悪かった。
ほんと、ごめんな。
もうあすみのことちゃんとあきらめるから。
…じゃあな。」
…透も透で悩んでたんだ。
あたしは去っていく背中に叫んだ。
「あたし!
別れるときまでちゃんと、透のこと好きだったよ!!!
お互い幸せになろーねー!!!」
そう言い切ったら、今までの胸のつっかえがとれた気がした。