『あたしより遅い人いたんだ…』
とほっとしていると、
ガラッ──
教室の扉があいて入ってきたのは安藤 圭。
かっこよくて有名な彼が入ってくると女の子はたちまち色めきだっていた。
安藤くんがあたしの左隣の席に座る。
『かっこいいけどさ、無口そう?
クールなのかな?
意外にチャラい?
ただこの存在感はすごい…。
てか意外と制服もちゃんと着てるしまじめだったり?
でもかっこいい人って話しづらいなー…、』
間近で彼を見たのははじめてで、きれいな黒髪に切れ長な二重、整いすぎな顔立ちだった。
隣をチラッと見ながらあたしには何ら関係のないことをつらつらと考えていた。