────

おばけやしきは大盛況!


「おばけ役も楽じゃないねー」


おばけやしきの中で休憩しているときにそんな話を成実としていると


───ピタッ


と何か冷たいものがほっぺたにくっついた。


「ぎゃーーー!!!!
何今の!!!本物のおばけ出たー!!!」


あたしが暗がりで騒ぐと懐中電灯がついた。



「あはは、ごめんな?
これ、あすみに差し入れ。」


そう言って、あたしに飲み物をくれたのは耕平くん。


「え、あ、ありがと。」



「ちょっと池内。あたしにはないわけ?」



強い口調で成実が言う。



「あぁー…ごめん。
あすみにあげたかったから。」


ニッと笑って言う耕平くん。


「またまた冗談を…。」


そう言いながらも恥ずかしくなってあたしはうつむいた。