その姿にびっくりした。


「あすみ…」



「けっ、圭くんは!あたしのだから!ダメだよ!」


あすみは俺の目を見ずに佐藤に向かって言う。



「でもあすみ先輩、あの日あのまま帰ったじゃないですか。

あんな大事なときに帰るなんてあたしだったら絶対しない。

彼女なら一緒にいてあげるべきでしょう?」


佐藤が言い返す。
あすみの目から涙がこぼれ始めた。


「あのとき、圭くんを支えられなかった分、これから先何度でも支えていきたいの…
それに、
あたしは圭くんと一緒にいると幸せなの、一緒にいたいの…」


泣きじゃくるあすみの前にたち、今度は俺が話す。


「佐藤に思わせぶりな態度取った俺が1番悪い。

悪かった。

…でも俺も、幸せにしてやりたいのはあすみだけなんだ。」


俺も佐藤の目をまっすぐ見て言った。