「帰ろ。」


さっき、池内とあすみの話を聞いてから、昇降口で雨が降り始めた外を見つめていた。


傘をさして鞄も持たずに外に出ると塚原に会った。


「…何してんのよ、そんなところで。」


「…帰ろうと思って。
つか最近来てなかったじゃん。風邪?」


俺がそう言うと不思議そうにこっちを見てくる。


「…それより、塚原は俺のこと怒ってねーの?」


いつもの塚原ならあすみから話を聞いたら絶対俺にあーだこーだ説教してくるはずだ。

それなのに


「…あすみと何かあったの?」


と目を丸くして聞いてきた。