「…バカなのかな。」


外で体育をやっている蒔田が友達に囲まれてよくわからない歌を歌いながら笑っていた。


その様子をながめながらふとつぶやくと、前の席にいた片瀬俊司が振り向く。


「え、何?俺のこと?」


「いや、お前はバカなのかなじゃなくてバカだから。

あいつ。」


と言って蒔田のほうを指差した。


「あぁー、あすみ?

あいつ、バカだよね!

中学から一緒だけど俺とテストとか点数競ってたよ!

ボケてるとこあるし俺のノリにもついてこれちゃうけどかわいいよな。」


俊司はそう言いながら前を向いた。


俊司と点数競ってるなんて相当なバカじゃねーか…


俺はそんな事実に鳥肌をたたせながら苦笑いした。