何が原因なのかも分からぬまま時間は過ぎていく。



「あ!」



俺はあすみのことを思い出した。



待ち合わせの時間から3時間は経っている。

あわてて携帯の電源を入れると着信とメールがきていた。


おまけに…


「外、雪降ってますね」



佐藤が隣で言う。



少し冷静になった俺は、



「俺取り乱してて、悪かった。帰っていいよ」



と佐藤に言ったが、



「先輩のそばにいたいです」



と俺の手を握って言ってきた。



その時、


─タンッ


と靴の音がして顔をあげると、息を切らして雪まみれになっているあすみがいた。



「圭…くん」