良太を乗せた救急車が向かった病院は駅前の病院。
俺は不安でいっぱいだった。
途中、単身赴任中の父さんに電話をしたときも泣きそうになったが、ここは俺がしっかりしないとと、なんとか踏ん張っていた。
母さんを落ち着かせるために、駅前のコンビニに寄って飲み物を買っていると
「圭先輩?」
と声をかけてきたのは1年の佐藤。
「先輩…何かあったんですか…?」
このときの俺はどうかしていた。
佐藤に話をすると、
「あたしついていきます」
と言われついてきてもらった。
少し前に、元気だったじいちゃんが突然倒れて亡くなったこともあって、身内のそういうことに敏感で、誰でもいいからそばにいて欲しかった。