「…なんだよ、焦っただろ。」

「ふふ、ごめんごめん。」
そう言って顔の前で両手を合わせた。

「まあ、病気じゃねえって事だろ?
だったら良いじゃねえか。」

「…え、いいの?」
不思議そうに俺を覗いてくる。

「…ったりめーだろ!」
俺は優花の頭をぐしゃぐしゃに撫でた。
癌なんかじゃなくて良かった。
どこかで、ほっとしている自分がいた。
こいつには何でも話せる。いい幼馴染み。
だけど、こいつの事を考えるとこんなにドキドキして苦しくなるのは、なんでだ?
…まあ、いいか。