「…なあ。」

「何よ?」

「…ホントなのか?」

「…は?急に何よ?」

「…お前が…病気って…本当なのか…?」

「……」

「…やっぱり、そう…なんだな…」

「…なに……ってるの?」

「…は?何だって?」

「だから…何言ってるの?
私が癌?…笑わせないでよ。」
そう言って彼女は笑い飛ばした。
だけど、俺は見逃さなかった。
こいつが一瞬、ほんの一瞬だけ哀しい目をした事を。