ある日の部活で―

うちは吹奏楽部に入っている。
その中でも同じパートのMちゃんと一緒にいることが多い。
Mちゃんはすごいおとなしくってほわほわしている。
最初は静かそうな子だと思っていたが、仲良くなってきて、明るい姿も見せてくれるようになってきた。
Mちゃんは口が硬いから、相談もたくさんしてきた。

・・・あたしは、今回のこのこともMちゃんになら話せると思った。
「ねぇ、Mちゃん、あのね・・・あのね・・・。」
うちが話を切り出すと、
「ん?・・・なによ・・・ッ」
と笑いながら言ってきた。
あたしは好きな人ができても、誰にも言わないいわゆる「秘密恋」というものを何度もしてきている。と、いうか、ほとんどがそれ。
だから、ほんとに緊張した。
「あのね・・・!・・・・・・うちね・・・・・・・・・好きな人いるの!!!!」
最後は照れながらもMちゃんの目を見てそう言った。
「えッ!そうなの!?ええー!美沙からそんな言葉が聞けるとは思わなかった・・・!」
なんてMちゃんにはすごいびっくりされたけど、どうやら、歓迎してくれてるみたい。
それから、いつから好きだったとか、ドキドするときとか色々話した。
けど、名前は言わなかった。
というか、怖くて言えなかったんだと思う。


この日であたしは自分に自信が湧いてきた。
勇気が出てきた。
強くなった気がした。



・・・そして決意した。




Tちゃんに好きな人のことを言おうと。