ある日、後ろの席のTちゃんと恋バナになった。
「美沙ちゃんって好きな子いる?」

そんなTちゃんの質問から始まった話だった。
うちは、好きな人はいるけど、公開は勇気がなくてできなかったので、今まで誰にも行ってなかった。
だからもちろん、
「いないよ~」
なんて嘘をついていた。


そしたら、Tちゃんが、
「うちはいるよー」
ってすんなり教えてくれた。

すごいなぁって関心の一言だったな。

そんなTちゃんを見てたらなんか、心がムズムズしてきたの。


掃除の時間―
TちゃんとHちゃんと今度は3人で恋バナになった
「Hちゃんは好きな子いないの?」
TちゃんがHちゃんにそう聞くと
「いないよー」
そうHちゃんが言った。

確かに、Hちゃんはあたしにも「好きな人はいない」と言ってるし、
これは本当だと思う。

あたしは次第に「もう言っちゃおうかな?」なんて気持ちが出てきた。
なんでだろうね?
自分に嘘をつくのが疲れてきたのかな?
Tちゃんに勇気をもらったのかな?