… んっ?
あれ、私の部屋だ。 戻ってきたのかしら、さっそく母さんに言わなきゃ。
寝ぼけてうちにかえってきたんだわ。

ブーブーブー

メール?
裕太「今日はいけない、悪い」

なんの事?
あれっ、修平くんは?
そうだ、タイムマシンだ。


母さ~ん。

なに?

タイムマシン知らない?

はあ?タイムマシン?あなた寝ぼけてるんじゃないの?タイムマシンなんかないわよ。そんなもの日本中探したってないわよ。 なんか変な薬でもやってるんじゃないでしょうね?


そんな薬なんか飲んでないっ!
私、タイムマシンで 未来に行ってきた夢を見てたのかも。

そうね、きっと夢よ、ていうか絶対夢。 タイムマシンで未来に行くなんて映画の世界だわ。
どんな夢だったの?

ずっと片思いしてる人と未来で出会ったの。彼も同じ時代からきたみたいで二人でしばらく時間旅行したわ。幸せな夢。 さめなきゃよかった。

そんなすごい夢見たんだ~。 母さんも、昔を思い出して、そんな夢見てみたいものねぇ。

なんだったんだろう。私は確かに未来に行って、修平くんと会ってきた。夢なんかじゃない。いつの間にかえってきたの?本当に家にあったタイムマシンで未来に行ってきた。絶対事実よ、だって…
はっ、もしかして修平くん木星にいったのかも。私が教えなかったから、自分で行ったのかもしれない、それで今の時代に帰れたのかも。あんな長い間のはっきりとした記憶。
絶対未来に行って帰ってきた。
修平くんにあって話さなきゃ。 修平くんはどこ?連絡先知らない…
家はどこだったっけ、確か図書館のあたり…


と、ついでに図書館で調べてみようかな。

同じ時代に同じ人物が同じ出来事に遭遇。

あっこれだわ。
「いつもどおり暮らしていても、時空の狭間にひょんな事から迷い込み、もうひとつの世界にたどり着いてしまう事がある。その時代に入り込むと、もう一人の自分は一旦消える。 今まで暮らしていた時代は自分がもうひとつの世界に入った事により、一時停止する。必ずもとの時代に戻れる事になっている。帰ってきたときは夢として処理されるのだ。この現象を、クンダリーニ覚醒と言う。
違う世界を垣間見てきた事により、現実界での生活に多大な影響を及ぼし、一般の人よりも遥かに人間的に大きく成長する作用がある。
臨死体験とはまったく別のものである