女の子みたいな声を出して…ふざける彼に、明美たちはケラケラと笑いながら話しかける。
「終わった?先生、何て?」
沙代はスクッと立ち上がり、彼に問いかけた。
「おー。髪の色を戻せってことと、学校サボんなって話やった」
久々に学校に来た健太郎は、担任の教師に呼び出され、今まで職員室にいた。
沙代は靴を持ち、明美たちに挨拶をする。
そして、彼と一緒に下校した。
「…お似合いやでなぁ」
2人の後ろ姿を眺め、ポツリとつぶやく明美。
「あの2人は、一緒におって当たり前やもんなぁ。空気みたいなもんやろ」
同じように彼らを見つめる由加も、しみじみと答える。
沙代と健太郎は、学年でも目立つカップル。
そんな2人を、明美と由加は誰よりも応援し、認めていた。