「確かに。…うまいのは認めたるわ」
舞は、ドライヤーで乾かした髪を、満足げにつまんで、そう言った。
「お前は、素直に“ありがとう”って言えんのか」
聖は、目を細め、ハァッとため息をついた。
「恩着せがましい男は、モテへんで。てか…お腹減った」
さっきまで泣いていたはずの彼女は、もう普段と同じ…ひねくれた女に戻っていた。
「飯でも食いに行く? それか、何か頼むか?」
聖は、彼女のつぶやきで、自分も起きてから何も食べていないことに気づいた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…