「美衣子のツレやよ。お前…寝起き悪すぎ。ほら、これ着て…寝とけ」
シーンと静まり返ってしまった場の中、輝緒は聖に軽めの布団を手渡した。
…美衣子のツレ?
聖は、チラッと美衣子を見た。
輝緒の言う通り、彼女はさっきの女に駆け寄っている。
「“舞ちゃん”やってさ。…美衣子と高校が一緒なんやって」
輝緒はそう言って、自分の部屋に入っていった。
ほんまに、もう…何も思ってないんか?
聖は、彼が閉めた部屋のドアを、ジッと見つめていた。