拓馬は、嬉しそうに携帯を耳に当てて、彼女の“幹”に電話をかける。
…拓馬は、昼の休憩でも、暇があれば彼女に連絡ばかりしている。
そういうマメな部分は、聖も尊敬していた。
「…おぅ。今、着いた。幹、どこらへん?」
にんまりと頬を緩める彼の隣で、聖はクッションを枕にして、寝る準備をする。
「寝るんけ?」
電話の終止ボタンを押すと同時に、拓馬は聖に話しかける。
「…寝不足やねん」
そう答えて、聖はクッションに顔を埋めた。