そして、画面を見る。
「…はい」
デートに向かう拓馬に手を振りながら、聖は姉からの電話を受け取った。
そして、耳に入ってきた言葉に、体を凍らせる。
「…今から、すぐ行く」
低い声で…そう答えると、聖は慌てて原チャリに乗った。

「聖っ」
実家の玄関に足を踏み入れると、姉の里美が深刻な顔で駆け寄ってくる。
玄関には、見慣れない…大きな靴が、1つ余分に並んでいた。