姉が専門学校に入った頃には、家計は成り立たない状況になっていて、聖は当たり前のことのように、高校進学をあきらめた。
そして、毎月…こうやって、給料の大半を手渡している。
聖は、最低な父親の帰りを、いまだに待ち続ける母親が、嫌いだった。
それ以上に、自分たちを捨てた父親を、深く憎んでいた。
「おかえり。飯、食ってきた?」
マンションへ帰ると、輝緒がリビングから声をかけてくる。
「…まだ。お前は、もう食ったん?」
「まだやで。多分、食ってけぇへんやろなって思ってたから、弁当買ってきてる。食おうや」
そして、毎月…こうやって、給料の大半を手渡している。
聖は、最低な父親の帰りを、いまだに待ち続ける母親が、嫌いだった。
それ以上に、自分たちを捨てた父親を、深く憎んでいた。
「おかえり。飯、食ってきた?」
マンションへ帰ると、輝緒がリビングから声をかけてくる。
「…まだ。お前は、もう食ったん?」
「まだやで。多分、食ってけぇへんやろなって思ってたから、弁当買ってきてる。食おうや」