「ふはっ…はは…」
聖は、あからさまに引きつった笑顔で対応する。
毎日、朝から晩まで、ずっとおばちゃんたちに囲まれて…働く状態。
聖は、もう…旅館内で、アイドル的な存在になっていた。

「はぁぁっ…」
ある日の夜、風呂から上がり、体に湯気を残したまま、聖は自分の寝床に倒れ込む。
「…疲れた」
そうポツリとつぶやきながら、頭にかけていたタオルで髪をふいていく。
夏休みということもあり、客の数は半端じゃない。