聖は、ポケットから携帯を取り出した。
そして、片手で画面を開く。
舞からの着信がなくなって…もう10日。
着信履歴に残された彼女の名前を…黙って眺める。
聖は白浜に来てから、毎晩…鳴り続ける舞からの電話を、一度も受け取っていなかった。
理由は…2つ。
ひとつは、期待をさせたくないから。
もうひとつは、俺自身…決心が鈍りそうやから。
でも着信履歴が増えるたび、矛盾なことに…舞以外の名前を消してしまう指がある。
“電話をくれた”という印が、消えてほしくないから…。
そして、片手で画面を開く。
舞からの着信がなくなって…もう10日。
着信履歴に残された彼女の名前を…黙って眺める。
聖は白浜に来てから、毎晩…鳴り続ける舞からの電話を、一度も受け取っていなかった。
理由は…2つ。
ひとつは、期待をさせたくないから。
もうひとつは、俺自身…決心が鈍りそうやから。
でも着信履歴が増えるたび、矛盾なことに…舞以外の名前を消してしまう指がある。
“電話をくれた”という印が、消えてほしくないから…。