無意識に、荷物を詰める手が乱雑になっていく。
「………」
聖は手を止めて、壁に掛かった時計を見上げた。
「…9時半か」
同窓会は…昼からやから、終わったかな?
もしかしたら、元カレと…。
…とか、アイツに限って…ないでなぁ…。
頭の中では、様々な妄想が咲き乱れていく。
「だから…なんで、俺がそんなん…気にせなあかんなよ」
思い浮かべた“舞と元カレ”の姿を振り払うかのように、聖は激しく頭を横に振る。
そして、深く息を吐き、黙々と荷物を詰め始めた。