「…なんで、俺がっ」
ドアを閉めるなり、聖は足元にあるスポーツバッグを蹴り飛ばした。
明後日…俺は白浜へ行くのに…舞は来ない。
…ほんまのこと言えば、今日…1日中、そのことで…イライラはしていた。
「…まぁ、言うてないからな。明日も、アイツ…学校やし」
…言うてたら、アイツは…今日、ここに…来てたんかな?
…もし明日、舞が学校帰りにマンションへ寄れへんかったら…。
聖は険しい顔で、バッグの前に座り、荷物をまとめだした。
「別に、関係ないし。どうせ、アイツは…元カレに会いたがってるし…」