俺が先に友達になったのに
どうしようもない、想いが俺の中にあった。
彼女は幸せそうに楽しそうに
美南と笑っていた。
俺は、俺の時には
いつのまにか、口走ってた。
「俺!もよろしく!」
意味がわからなかっただろう。
そりゃ、いきなりだ。
いきなりよろしく
しかも頭を下げて
手を出してる、
いかにも変人な状態。
でも俺は…
笑い声が消えた。
きっと彼女は困ったような顔をしているのだろう
それでも俺は
彼女に触れたかった。
どうしようもなく。ただ。
触れたかった。
何分足ったんだろうか?
ほかの人には一瞬の時間。
そうなのかも知れないが
俺には、何分でも何時間にでも感じた。
彼女は少しこわごわとしながら
俺の手に触れた。
「こっこちらこそ。」
小さな、小さな声だった。
うれしかった。
ただひたすらに。