「…ぅん。」

小さい声ではあるが、承諾の声が聞こえた。
気がする…
その声が聞こえた瞬間思わず、そこを飛び回りたかった。
もちろんそんなことはしないけど。
調子に乗った俺が宮ちゃんに話しかけようとしたその時。

「何ナンパしてるんだぁぁぁぁ」

といいながら、俺にとび蹴りを食らわしたそいつは。
美南だ。
もちろん、まともに食らった俺は壁に激突した。

「いってぇ~ッ」

「ふっ…」

そう笑いながら、宮ちゃんに近づいて。

「かっわいいッッ!私の理想像だぁぁぁぁッ」

とか言いながら、正直衝撃が強すぎてそこの記憶は薄れてる。
宮ちゃんに抱きついた。
そして、そのまま俺を指差し

「ナンパされたのね?こいつに、名前はぁ…天宮?したの名前は?」

「あっ、雫で「雫ね?雫ッ、何された?こいつに何された?ん?言ってみ?」

すっごい勢いで、宮ちゃんに俺について聞く美南。
勢いに押される宮ちゃん。
てか…ん?

「あの、美南ぃ?俺ナンパしてないんだけど。」

「はぁ?嘘つくんじゃないっ。まったくこれだからこの子は…」

お前は俺の母親か?
肩をあげて頭を横に振る美南。
やっと開放された宮ちゃんは正直苦しそうだ。
でもどこかうれしそうだ。