一晩中寝れなかった。。
おかげで今日は、クラス一番に学校に着きそうだ。

思ったとおり、人影もない学校に着く、
いつも遅刻ギリギリセーフのオレ、
なんていうか、すっごい清々しい。
早起きっていいもんだなぁ。ってオレ寝てないし。

とかどうとか自分に自分でつっこみながら
自分の教室のドアを開ける。

もちろん、誰もいるはずはない…
ぇ?

教室のはじっこの席に昨日の彼女が座っていた。
昨日と変わらない三つ編みでやっぱりめがねも変わらなくて
そして、本を読んでいた。

同じクラスだったんだ…とか思いながら
自分の席につき彼女を観察する俺。

そんなオレに気づかずに本を読み続ける彼女。

なんだかそれがむなしくて
彼女に近づいていった。

彼女の目の前に着くとやっと彼女がこちらを見た。

「な…んですか?」

昨日の声とは違う、冷たい声だった。
でも、気づいてくれたから。

「名前なんていうの?」

いつのまにかそう聞いていた。
今気づいたけど、同じクラスだったのに
名前を知らなかった。
俺にしてはめずらしいなと思う。人の名前を覚えるのは結構得意だからだ。

彼女は俺の質問に
あきあきしたような顔をしながら

「天宮雫」

凛とした声で俺にそう返した。
そう答えると本に目線を戻そうとする彼女
それがいやで。