そう答える彼の顔に、いつもの明るさはなかった。
…今まで見たことのない、真剣な瞳。
塚本さんはうつむいたまま、その場から走り去っていった。
立ち尽くす彼から視線を背け、舞はしゃがみ込む。
そして、どうしたらいいのかわからず…その場から離れた。

「…はぁ…はぁっ…」
息を切らしながら…たどり着いたのは、誰もいない教室。
舞は、自分の机に手をついて…座り込んだ。
「もらっても…くれへんの?」
じんわりと浮かび上がる涙は下まぶたを濡らしていく。
カーテンのすき間から漏れる…外の光。