「…頑張りや」
いつも冗談ばかり言ってくる夏子が、真剣な顔で励ましてくれている。
生まれて初めて経験する“告白”というものに、緊張せずにはいられない。
「じゃあね! 報告の電話待ってるでぇ」
ホームルームが終わると、夏子は田中と2人で教室を後にした。
…純子も礼ちゃんも、この日だけはちゃんと彼氏と帰っていく。
舞は、1人で告白をしなければならない。
寂し気な表情を浮かべ、舞はひらひらと手を振った。