あたしは…かないっこない。
友達と賑やかにジャレ合う勇心の姿を眺め、舞は肩を落とした。

「あ! 雪降ってる」
帰りのホームルーム中、窓の外に目をやり…1人の男子が声を出す。
「…ホワイトバレンタインかぁ」
後ろで、夏子が何気なくささやく。
ほろりほろりと優しく降り注ぐ雪を、舞はぼんやりと見つめた。