舞は、胸が苦しくなった。
…あたしがちゃんと断っとけば、こんなことならんかったのに。
震える舞の肩を、そっと支える夏子。
「いけたで!」
先に教室に戻ると、後から勇心が無邪気に駆け寄ってくる。
さっきまでの冷血な表情など…全く見せない彼に、再度、胸が苦しくなる。
「…ありがとう」
舞は、勇心の顔を見ることができず…礼を言った。

たわいない会話を楽しみながら、純子と歩く帰り道。