少しの間を置いて、落ち着いた幹は表情を固くした。


「・・・産む」


思いがけない彼女の言葉に、2人は顔をしかめた。


「何言うてん!?」

「だから拓ちゃんは、裏切ってなかったんやで!?」


2人は声を張り上げ、必死に引き止めた。


「だからっ!!・・・だから産むんやし。・・・裏切ったのは、アタシのほうやから。だから・・・あたしは罰を受けなあかんねん」


悲しい幹の判断に、2人は言葉を失った。


「・・・産めよ」


突然、部屋の向こうから聞こえる低い声。