「食ったらすぐ帰れよー」
ぶっきらぼうにそう言ってすぐに去っていく郁也。
…ったく……これだからあいつとは友達をやめられない。
昔からどれだけからかわれて腹が立っても、あいつを嫌いになろうと思ったことは一度もない。
「本当はいい人なんだね」
成海さんも郁也の性格に勘づいたようで、にっこり笑ってくれた。
「怖くないだろ?」
「…う、ん?」
曖昧な返事…
それとこれとは話が違う、ってことか。
…まぁ…郁也と成海さんが仲良くなるなんて、俺的にはあまりいいことじゃないし、別にいいか。
「食べよっか」
「うん」
俺の声かけで同時に料理に手をつけ始める。
いろんな話をしながら、ゆっくり時間をかけてご飯を平らげた。