「ねぇ、もしかしてあの人…兄弟いたりする?」



笑うのをやめた成海さんがきいてきた。



「うん、兄貴がいるよ」


「お…お兄さん?」


「うん。4つ上が1人だけ」


「そっか…」



途端に曇った表情をする成海さん。



「…どうしたの?」


「ううん…!何も」



俺がきくと、何かをごまかすようにとっさに表情を戻した。



…何だったんだろう…?



笑ってはいるけど、どこか戸惑いも混じっているように見える。






…なんだか胸騒ぎがする。



この予感がどうか当たっていないように、と心の奥でそっと祈った。