……っそうだ!



今がチャンスだ、遊びに誘おう…!



ここで言わなきゃ、これからもまた言えない気がする。



これも何かの運命、今勇気を振り絞らなきゃいつやるんだ、俺!



「あの、成海さん…」



どぎまぎしながら口を開いた。



「ん、何?」


「…えっと………」



…次の言葉が出てこない。



会話を切り出したのはいいけど、何て言ったらいいのだろうか?



目の前には、吃る俺を不思議そうに見る成海さん。



俺の言葉を待ってくれている、憧れの人。







……無理だ…!!



成海さんを前にすると、どうもうまくいかない…!



俺なんかにデートに誘われたらどんな顔をするんだろう、なんて考えてしまう。



…もっとイケメンに生まれたかった。



もっとしっかりした奴に生まれたかった。



せめて俺が郁也だったら、もっと自信を持てたかもしれない…



こんなへなちょこ男子、成海さんみたいな素敵な女の子が相手にしてくれるわけがないだろう…




…だけどそれでいいのか俺!?



こんな幸運な休日を、このまま無駄にしてしまうのか…!?