背後から飛んできた声に耳を疑った。
「え…?」
もう一度道路の方に振り返る。
「あ、やっぱり瑞樹くんだ」
…そこにはなぜか成海さんの姿。
「な…何でここに…!?」
耳だけでなく、自分の目も疑う。
でもどう見たってその人は、成海さんにしか見えない。
「午前中、補習で学校に行っていたの。
今はその帰りで、そこの公園で遊んでいるいとこを迎えに行くところなの」
そう言っていつもの笑顔で微笑む制服姿の成海さん。
この近くの公園に向かう途中で、俺の姿を見かけたらしい。
「瑞樹くんの家、ここだったんだ。わたしの家も近いよ」
「そ、そうなんだ…」
「同じバス停を使っているんだから当たり前なんだけどね」
「…ははは、確かに…」
……おいおい、どうしたんだ俺。
ここがバス停じゃないからって、緊張してうまく会話ができていないぞ…
まさか休日に会えるとは思っていなかったから、頭がこの状況について行っていない。
雪が降りそうなくらい寒い中、立ち尽くしたまま。
嬉しい反面、突然すぎてどうしていいのか分からない。