「高3の冬なんて、もうすぐ高校生活も終わっちゃうね」
「あ、うん。そうだな…」
何だ、突然そんな悲しいこと…?
確かに俺の学校では、年が明けてからは、1か月くらい学校に行けばあとは自由登校になる。
「小桜高校も2月から自由登校?」
「ううん、私の学校は1月の半ばに卒業式なの。
受験に専念するために、早めに卒業しちゃうんだ」
…すげー…さすが私立。
「もうあと少しだけしかみんなといられないなんて、何だか寂しいな」
そう呟いて言葉通りの表情で遠くを見つめる成海さん。
彼女の周りの空気が、今一瞬変わった。