春のぽかぽかに増して少し暑くなってきた6月。
もうすぐ梅雨明けだと朝の天気予報で言っていた今日、瑞樹くんが風邪をひいてしまったらしいです。
朝から部屋で寝込んでいるというので、これから看病に行くところです。
「彼氏さん大丈夫なの?」
「うーん、本人はただの風邪だって言ってるけどね。心配だから行ってくる」
「そっか。柚音は優しい彼女だね」
「ふふふ。あ、そういうことだから、寮長さんに帰りは遅くなるって言っといてくれない?」
「分かった、伝えておくね。行ってらっしゃい」
大学でできた友達に伝言をお願いし、寮とは反対方面の道へ。
“彼女”と言われることに、最近やっと慣れてきたところ。
誰かと気持ちが通じ合うことがこんなに嬉しいことなんだって、瑞樹くんと出会って初めて知った。
今日も、瑞樹くんの風邪は心配だけど、実は会えるのが楽しみだったりして。
…彼は苦しんでるのに、不謹慎かな。