なんてこった！



なんてしたたかな女なんだ、この子は！？



ズル賢いというか、何というか…



…大人しそうな顔をして、恐ろしいことを考えてやがる。





「…怖いね、女って」



思わずポロリと口にしてしまった。





「…だって瑞樹くんがしつこいんだもん…」


「瑞樹が？」


「はい。わたしが達也さんのことを好きだって勘違いして、頑張れって」


「…へ、へぇ…」




………勘違い……



あぁそうですか…






「まぁ…少し前だったらありがたかったんですけどね」



なんて言ってふふっと笑う柚音ちゃん。



落ちた心が、一瞬跳ね上がった。