「あの子に会えるといいな」



降り際に笑ってそう言ってくれたおじさん。



「うん。…会ってくるよ」



俺の恋を知っているから、ずっと応援していてくれたから、なんだか感慨深い。



トンとステップを降りた。



もう一度振り返って車内のおじさんに頭を下げる。



「本当に…ありがとう」


「あぁ。頑張れよ、瑞樹くん」



ドアを閉める直前におじさんはそう言い、ガッツポーズをして送り出してくれた。





バスが再び動き出すのと同時に、俺たちも走り出す。



ホームまであと少し。



3人で、必死になって走った。