「ちょっ…!待って!!」 引かれた腕を引き返した。 「何だよ!?」 足をとめた郁也が振り返る。 「…俺は行かない」 「「は!?」」 俺の言葉を拾って今度は2人が目を見開く。 「何言ってんだよ!?今から走れば間に合うって…「だから!!」 繰り返す郁也の言葉を遮る。 瞬時に深くなった眉間のシワ。 「何だよ?」 「…もういいんだって」 「は?」 「成海さんには、もう会えないし、…会わない」