――――一体どうしてこういうことになっているんだろう。



雨の中を傘もささずに、郁也と海斗くんに手を引かれながら走っている俺。



絡まる足を必死に動かして前に進む。




「おい瑞樹!もっと速く走れよ!」


「バスがなくなっちゃうよ!」



前を走る2人が俺を急かす。



粒は小さいけど、顔に当たる雨が痛い。




…もう…何なんだよ…





「くそっ…5分前に出たばっかりだ…!」



一足先に時刻表を見に行った郁也が、悔しそうに看板を叩いた。




…ほらね。


もう無理なんだよ。