「ふふふっ」
隣からさりげない笑い声が聞こえた。
「な…成海さん…?」
声の主は成海さん。
「わたしも今、同じことを思ってたの」
そう言って照れくさそうに頬を紅く染めた。
“同じこと”って…
つまり、もっと俺と話したいと思ってくれていたってこと…?
…なんて嬉しいことなんだ!!
ただ同じことを考えていたってだけなのに、まるで俺が世界一の幸せ者のように感じられる!
えっとじゃあ…何を話そう…?
「でもわたし、今日はすぐに帰らないといけないから、あまり時間がないの」
……えー……
「そ…そうなんだ」
きっと今の俺、とんだ間抜けな顔をしているんだろうな。
悲しさが顔から滲み出ているような気がする…